神辺遺産の認定

第3回神辺遺産認定委員会(2025.9.20)

9月20日、神辺交流館において「第3回神辺遺産」認定委員会を開催しました。
(出席者)
認定委員会委員長:
  :神辺学区まちづくり推進委員会(松本正志)
委員:神辺学区自治会連合会    (徳永孝示)
   神辺学区自治会連合会    (石塚保範)
   神辺宿文化研究会      (重政憲之)
9月16日付けの調査委員会からの調査報告書により、申請した4物件(荒神信仰・片山荒神社、株式会社天寶一、茶山饅頭総本舗「谷口屋」、神な備-旧松本家住宅-学校法人福山大学神辺駅前サテライトキャンパス)を神辺遺産に認定した。

認定8 片山荒神社
  片山荒神社は、1697(元禄10年)年に、片山村庄屋藤井
  長左衛門が願主となって、王子荒神社を分霊したことか
  ら始まるとされる。『郡制二十五年 深安郡』には、
  「祭事は氏子らにより、秋祭りと称し稲の収穫頃大祭を
  行い、6月下旬中祭として虫送りと称し祭事を行う。
  荒神社なる鎮守神は、現在は概ね11月頃に1回行い、
  その他7年或いは10年毎に式年と称しして大祭を行えり」
  とあり、片山荒神社は現在も自治会行事として地域総出
  で盛大に執り行われている。

認定9 天寶一
  
1910(明治43年)年創業の村上酒造の日本酒銘柄「天寶
  一」が現在の社名となっている。創業からの志である
  「天地唯一の宝」が由来であり、日本酒を醸造するに相
  応しい「神辺=神の辺り」の地にあることを誇りとして
  いる。近年では、ばら酵母仕込みの日本酒「ローズマイ
  ンド」を開発し、地元開催の国際会議で振る舞ったり、
  「蔵開き」イベントを開催したり地域交流の場となるこ
  ともある。神辺地域発祥で地域に根差しつつ世界に発信
  する物件である。

認定10 茶山饅頭総本舗「谷口屋」
  谷口屋谷口屋の屋号は、1865(慶応元年)年、備後吉野
  山の麓の他にの入口で菓子店を開業したことに由来す
  る。その後、現在の廉塾の隣に移り、「紅羊羹」を看板
  商品としていた。1955(昭和30)年頃、廉塾開塾の菅茶
  山5代目と谷口屋4代目が、菅茶山をイメージした商品を
  作ろうと話して、「茶山饅頭」が誕生した。依頼、70年
  にわたって神辺を代表する土産品となっている。1824
  (文政7)年の「廉塾座敷略図」に記載の井戸が谷口屋敷
  地内に現存しており、現在国特別史跡の廉塾の敷地の一
  角店舗を構えたことが分かる。廉塾と共に近現代の神辺
  の歴史を紡いだ店舗であり、「茶山饅頭」と共に後世に
  遺したいものである。
  現在7代目まで続く下宮仙右衛門が、その味と店舗を絶え
  間なく継承している。

認定11 神な備-旧松本家住宅-
    学校法人福山大学神辺駅前サテライトキャンパス
  JR神辺駅東口近く、旧西国街道(近世山陽道)に東面し
  建つ近世古民家である。「神な備」とは、神の降臨する
  場所を意味する神奈備、神辺地域をナビゲーション(誘
  導)する、備後地域での学びを掛け合わせた施設の愛称
  である。主屋は築200年以上と推定される。敷地億には、
  大正期の増築と推定されるのこぎり屋根形状の旧織物工
  場(工房)が残り、かつての繊維産業で栄えた神辺の記
  憶を留める希少な現存建築である。2025年3月に、学校
  法人福山大学が取得することで解体を免れ、前所有者「
  松本家」の活用意向を汲んだ継承体制が確固たるものに
  なった。地域に開き、地域と共に使いながらの必要に応
  じて将来にわたり改修するという継承コンセプトや、近
  世から現代の神辺地域の生活空間を如実に物語る物件で
  ある。

第3回神辺遺産選定委員会(2025.6.26)

6月26日、神辺交流館において「第3回神辺遺産」選定委員会を開催しました。
(出席者)
選定委員会委員長:神辺宿文化研究会(重政憲之)
委員:神辺学区まちづくり推進委員会(松本正志)
   神辺学区自治会連合会    (徳永孝示)
   神辺学区自治会連合会    (石塚保範)
   神辺町観光協会       (井上直幹)
   神辺交流館         (桑田正國)
   欠席:神辺町商工会、神辺町三日市商栄会
(オブザーバー)
   福山大学備後地域遺産研究会 (佐藤圭一)
               補助(梅木彩未)
【審議・議決】
選定リスト記載の4件について承認。オブザーバー出席の神辺遺産調査委員長(福山大学佐藤圭一教授)に調査諮問。
選定1項 荒神社(その1として片山荒神社)
選定2項 天寶一
選定3項 茶山饅頭(谷口屋)
選定4項 旧松本家住宅-神な備-

※神辺遺産のPJ推薦にあった①中条八幡神社は、福山市の文化財指定となり、②紅葉堂は、要望があって次回選定に繰り越しとした

神辺遺産選定物件調査(谷口屋) 2025.6.11

6月11日、神辺遺産選定物件の谷口屋(茶山饅頭)を調査訪問
慶應元年(1865年)、吉野山の谷の入口に屋号を「谷口屋」として開業。その後すぐ現在の地に移転。紅羊羹を看板商品としてスタートし、昭和30年頃、隣地の廉塾5代目当主と谷口屋4代目当主が幼馴染で、菅茶山をイメージした「茶山饅頭」を製造販売。国産手亡豆と白隠元豆を使用した白あんと地元お茶屋の挽きたて抹茶を生地に使用した神辺の「土産品」です。創業から160年、神辺宿に残る、お饅頭屋さんです。